雨水貯留浸透の事業連携


雨水貯留浸透の事業連携  

1.背景・目的

近年、地球温暖化との関連も指摘される局所的な集中豪雨が増加傾向にあり、都市に降った雨水を河川等へ排除できないことによる浸水被害が頻発している。このような浸水被害をできる限り軽減させるためには、雨水の排除のみにより対応することは合理的とはいえず、関係する各主体が「原因者」と「被害者」の双方の立場に立って、地域全体で雨水の流出抑制、すなわち「雨水が流出しにくいまちづくり」を目的とした貯留浸透に積極的に取り組むことが重要である。

・都市における安全の観点から雨水貯留浸透の事業連携を強化

2.概 要

国土交通省では、雨水の貯留浸透について、関係部局が連絡調整を緊密に行いながら事業連携を積極的に推進することとし、浸水被害が頻発する市街地等において、下水道、道路、公園等の雨水貯留浸透施設を一体的かつ計画的に整備する仕組みづくりの一環として、下水道、道路、公園、河川、住宅・建築等の関係部局の連名により、平成19年3月30日付けで雨水貯留浸透の推進(事業連携の強化)についての通知文書を発出している。国土交通省として、市町村が各事業における雨水貯留浸透施設の整備を一体的に進めるにあたり、所轄事業において必要な事業の実施及び支援措置を講じることとしている。また、雨水浸透施設の能力低減を見込んだ浸透効果の把握や、維持管理の考え方について、平成22年4月に都市・地方整備局下水道部と河川部との連名により「雨水浸透施設の整備促進に関する手引き(案)」としてとりまとめ、公表している。市町村においては、上記通知等の趣旨を踏まえ、事業連携の強化を図りながら貯留浸透に積極的に取り組んでいただきたい。

なお、国土交通省として下水道浸水被害軽減総合事業のみならず、通常の下水道事業や新世代下水道支援制度により支援することとしている。

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雨水貯留浸透施策の推進イメージ

 

雨水貯留浸透施設の整備にあたっては、各事業に係る通常の国庫補助に加え、以下のような支援制度が設けられている。採択要件等を確認の上、活用を検討されたい。

雨水貯留浸透施設の設置に対する支援措置のご紹介(平成27年度版)

・まちづくり交付金

・地域住宅交付金

・住宅市街地基盤整備事業

・下水道総合浸水被害軽減総合事業

・特定地域都市被害対策事業

・新世代下水道支援事業制度(水環境創造事業水環境再生型)

・総合流域防災事業(流域貯留浸透事業)

・エコビル整備事業融資

・雨水貯留浸透施設整備促進税制

・特定都市河川浸水被害対策法に規定する雨水貯留浸透施設に係る特例措置

 

【通達・事務連絡】

・雨水貯留施設と同等の機能を有する雨水浸透施設の整備の考え方について(平成16.4.1事務連絡)

・都市における安全の観点からの雨水貯留浸透の推進について

・雨水の貯留浸透を重点的かつ緊急的に進めるべき地区における事業の推進について(平成19.3.30事務連絡)

・都市計画運用指針の改正による民間の雨水貯留施設等の位置づけについて(水国下流第46号平成27年1月18日)

 

【参考とする資料】

・流域貯留施設等技術指針(案)-増補改訂版-(平成19年4月)雨水貯留浸透技術協会

・雨水浸透施設技術指針(案)調査・計画編-増補改訂版-(平成18年9月)雨水貯留浸透技術協会

・雨水浸透施設技術指針(案)構造・施工・維持管理編-増補改訂版-(平成19年7月)雨水貯留浸透技術協会

・下水道雨水浸透技術マニュアル(2001年6月)日本下水道新技術機構

・道路路面雨水処理マニュアル(案)(平成17年6月) 土木研究所

 
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