浸水対策に関する7つのガイドライン


 

下水道による内水浸水対策に関するガイドライン類改訂について

 都市化の進展等に伴う浸透面積の減少により、雨水の流出量が増え、下水道にかかる負担が増加していることに加え、気候変動の影響等により、大雨等が頻発し、内水氾濫が発生するリスクが増大しています。

 これまで、「雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)」など、下水道による都市浸水対策に関する7つのガイドライン類が策定され、浸水被害の軽減に取り組む地方公共団体への技術的支援が行われてきましたが、ガイドライン類策定後も、平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨等において、河川の氾濫等による被災とともに、内水氾濫による浸水被害が発生しています。

 このような状況の中、下水道による内水浸水対策の推進・強化について、「気候変動を踏まえた都市浸水対策に関する検討会」提言(令和2年6月)(令和3年4月一部改訂)及び「下水道政策研究委員会 制度小委員会」報告(令和2年7月)がとりまとめられており、当該提言等の内容を踏まえ、気候変動の影響を反映した計画への見直し・内水浸水想定区域図作成・公表・周知の加速化を図るため、また、令和3年の流域治水関連法による下水道法等の改正を踏まえ、

  • 下水道事業計画の記載事項への計画降雨の追加
  • 民間による雨水貯留浸透施設整備に係る計画認定制度の創設
  • 雨水出水浸水想定区域の指定対象の拡大

等に係る内容等について反映するため、下水道による内水浸水対策に関するガイドライン類を改訂しました。

新たな雨水管理計画策定手法に関する調査検討会

 

内水浸水対策に関するガイドライン類の改訂について(PDF形式:453KB)

【本編】雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)(PDF形式:5,000KB) 事例集(PDF形式:3,860KB))(参考資料(PDF形式:1,680KB)(改訂:R3.7、R3.11)

  • 気候変動を考慮した(降雨量変化倍率を乗じた)計画降雨の算定、事業計画の記載事項への計画降雨の追加等に係る内容の追加
  • 既存ストックを活用した都市浸水対策機能向上等の事例集の追加

【本編】官民連携した浸水対策の手引き(案)(PDF形式:2,900KB)(改訂:R3.11)

  • 浸水被害対策区域での民間事業者等による雨水貯留浸透施設整備に係る計画認定制度の創設等に係る内容の追加

【本編】下水道浸水被害軽減総合計画策定マニュアル(案)(PDF形式:8,200KB)(改訂:R3.11)

  • 下水道浸水被害軽減総合事業への効率的雨水管理支援事業の統合等を踏まえた解説の追加

【概要】水位周知下水道制度に係る技術資料(案)(PDF形式:269KB)

【本編】内水浸水想定区域図作成マニュアル(案)(PDF形式:5,300KB)(改訂:R3.7)
    作成・活用等に関する事例集(PDF形式:4,870KB)(改訂:R5.3)

  • 簡易シミュレーション適用条件、外水位の設定方法等に係る記載の充実

下記の手順書に関しても、作成の参考としてください。
内水浸水想定区域図作成のための手順書(案)」(PDF形式:769KB)

【概要】下水道管きょ等における水位等観測を推進するための手引き(案)(PDF形式:609KB)

水害ハザードマップ作成の手引については、以下のURLを参照してください。http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/saigai/tisiki/hazardmap/index.html

 

動画はコチラから閲覧できます。(※閲覧にはユーザー登録が必要です)

 

今回策定された7つのガイドライン類の本編は、本ホームページの技術・論文情報の指針・マニュアル等に掲載しています。
また、雨水基本計画等の策定状況を整理しました。整理結果はこちら

   

雨水管理総合計画の策定の推進について

 近年の雨の降り方の局地化・集中化・激甚化や都市化の進展等に伴い、多発する浸水被害への対応を図るため、下水道による浸水対策を実施すべき区域を明確化し、効率的にハード・ソフトの総合的な浸水対策を行うことが必要である。

 このため、下水道による浸水対策を実施すべき区域や対策目標等を定めた「雨水管理総合計画」を策定し,下水道法に基づく事業計画の「施設の設置に関する方針」に位置付けることにより、効率的かつ総合的な浸水対策の実施を図るものとした。

 また、事業計画や今後の人口変動を踏まえた「選択と集中」の観点から「どこを、どの程度、いつまでに」を検討し、シミュレーション等により浸水リスクを事前に把握することで、再度災害防止に加え、事前防災・減災を推進し、リスクを把握することで、ソフト対策や住民等との連携により、対策方法を具体化できる。

浸水対策実施区域のイメージ

「雨水管理総合計画」の策定については,「下水道浸水被害軽減総合事業」の「効率的雨水管理支援型」において、策定として支援が可能であるため、積極的に活用されたい。

(R3)雨水管理総合計画策定ガイドラインの主な改訂箇所

   

ストックを活用した都市浸水対策機能向上のための
新たな基本的考え方について

<新たな雨水管理計画策定手法の論点集の公表>

 国土交通省では、「計画規模を超える局地的な大雨に対する新たな雨水管理計画策定に係る調査検討会」を開催し、平成26年度FS調査による具体的な検討を踏まえて、設計指針への反映を検討すべき論点集(案)を作成しています。

新たな雨水管理計画策定手法の論点集(案)(PDF形式:431KB)

 

<平成26年度FS調査>

 国土交通省では、新たな雨水管理計画の策定手法の具体的な検討を行うため、平成26年度に神奈川県厚木市、愛知県岡崎市をフィールドに実行可能性調査(FS)を実施しています。

 本調査では、新たな雨水管理計画の策定手法を構築するために、特に重要な以下の点について手法を検討しています。

[1]外力の設定方法

[2]「減災」に向けた目標設定方法

[3]施設情報や観測情報の活用手法

[4]既存ストックを活用した浸水対策手法

 

【平成26年度FS結果】

概要版(PDF形式:405KB)

新たな雨水管理計画の策定手法に関する調査報告書(案)―厚木市―(PDF形式:5,755KB)

新たな雨水管理計画の策定手法に関する調査報告書(案)―岡崎市―(PDF形式:5,601KB)

   

<平成27年度FS調査>

 平成27年8月にとりまとめられた「水災害分野における気候変動適応策のあり方について ~災害リスク情報と危機感を共有し、減災に取り組む社会へ~ 答申」(社会資本整備審議会)を踏まえ、既存の下水道管等のストックを活用した浸水シミュレーション等による雨水管理計画の策定手法の具体化を図るため、平成27年度もFS調査を実施ししています。

 新たに以下の5つのテーマを設定し、今後、国土交通省と共同で調査を実施していただく地方公共団体とともに検討を進めています。

[1]浸水リスクに応じた目標設定等の計画手法の検討

[共同調査:栃木県足利市、埼玉県上尾市、埼玉県朝霞市、三重県津市、福岡県大野城市]

[2]下水道管内の水位観測の実施手法の検討

[共同調査:北海道苫小牧市、千葉県市川市、神奈川県厚木市]

[3]X-RAINを活用した浸水対策の実施手法の検討

[共同調査:東京都三鷹市、東京都調布市、愛知県岡崎市、岐阜県大垣市]

[4]災害対応を考慮した雨水管理の推進手法の検討

[共同調査:岡山県赤磐市、熊本県阿蘇市]

[5]官民連携した浸水対策手法の検討

[共同調査:神奈川県藤沢市]

 

<浸水対策に関する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)>

(1)ICTを活用した浸水対策施設運用支援システム実用化に関する技術実証事業(実証フィールド:広島市)

技術概要

(2)都市域における局所的集中豪雨に対する雨水管理技術実証事業(実証フィールド:福井市、富山市)

技術概要


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